居住用財産の3,000万円控除とは

不動産を売却して利益(譲渡所得)が生じた場合、原則として所得税・住民税が課されます。しかし「居住用財産の3,000万円特別控除」を適用することで、譲渡所得から最大3,000万円を控除し、税負担を大幅に軽減できます。これは租税特別措置法第35条に規定された特例で、自宅の売却を促進するための政策的な措置です。

この特例のポイントは「所有期間を問わない」点です。後述する軽減税率の特例(長期譲渡所得の軽減税率)は10年超の所有が要件ですが、3,000万円控除は所有期間が短くても適用できます。つまり、購入してすぐ売却した場合でも、要件を満たせば控除が受けられます。

3,000万円控除の基本
  • 根拠法:租税特別措置法第35条第1項
  • 控除限度額:3,000万円
  • 所有期間:問わない(短期所有でも可)
  • 3年に1度のみ適用可能
  • 確定申告が必要(自動適用されない)

適用要件(居住期間・所有期間・親族への売却など)

3,000万円控除の適用を受けるためには、いくつかの要件を満たす必要があります。要件を満たさない場合は適用できませんので、売却前に必ず確認してください。

主な適用要件

「居住期間」については最低限の要件はなく、短期間居住していた場合でも適用可能です。ただし、住んでいた実態がない(転居した形跡がない等)場合は、税務調査で否認されることがあります。

控除額の計算例(控除あり・なし比較)

具体的な数字で3,000万円控除の効果を見てみましょう。

計算例:5,000万円で売却・取得費2,000万円・所有5年
売却価格5,000万円
取得費(購入代金+諸費用)▲2,000万円
譲渡費用(仲介手数料等)▲0円(買取の場合)
譲渡所得3,000万円
3,000万円特別控除▲3,000万円
課税譲渡所得0円 → 税額0円

上記の例では、3,000万円控除を適用することで譲渡所得が0円になり、税金が全くかかりません。控除がない場合は、所有5年超の長期譲渡税率20.315%で約610万円の税負担が生じます。その差は610万円です。

仲介手数料がかかる通常の売却では、5,000万円の売却に対して約172万円の仲介手数料(3%+6万円+消費税)が発生します。テキカク不動産は仲介手数料0円の直接買取なので、この費用もかかりません。

事故物件・空き家での適用可否

事故物件(心理的瑕疵物件)や空き家を売却する場合、3,000万円控除が適用できるかどうかは状況によって異なります。

現在も居住している場合(事故物件)

孤独死・自殺等の事故があった物件でも、現在も居住用として使用しており、売却時に要件を満たしていれば、3,000万円控除を適用できます。物件の「訳あり」性質は、控除の適用可否には関係しません。ただし、売却価格は通常より低くなることが多いため、控除の恩恵も相対的に小さくなります。

住まなくなった空き家(3年以内)

元々住んでいた家から転居し、空き家になっている場合でも、「住まなくなった日から3年を経過する年の12月31日まで」に売却すれば3,000万円控除が適用できます。この「3年のリミット」を見逃してしまうと適用できなくなるため、空き家の売却を検討している方は早めの行動が重要です。

最初から居住していない物件

相続で取得したが一度も住んでいない物件、投資用として購入した物件、貸出中の物件などは、原則として3,000万円控除の対象外です。ただし、相続空き家には別の特例があります(次節参照)。

相続空き家の3,000万円控除(措法35条3項)との違い

相続した家を売る場合の「相続空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」(租税特別措置法第35条第3項)は、居住用財産の3,000万円控除とは別の特例です。

相続空き家の特例の要件

適用できれば最大3,000万円の控除が受けられますが、旧耐震基準・独居・3年以内・1億円以下・耐震改修or取壊しという複数の要件を全て満たす必要があり、ハードルは高めです。要件を満たさない場合でも、他の節税手法がないか、テキカク不動産の公認会計士代表にご相談ください。

控除と軽減税率特例の選択と申告手続き

3,000万円控除と軽減税率特例の組み合わせ

所有期間が10年超の居住用財産を売却する場合は、3,000万円控除と「居住用財産の軽減税率特例」(6,000万円以下の部分は税率14.21%)を重複して適用できます。これにより、長期所有の自宅を売却する場合には最大限の節税効果が得られます。

申告手続きの注意点

テキカク不動産では、売却に際して税務的なシミュレーションを無料で行います。代表が公認会計士であるため、「この物件を売ったらいくらの税金がかかるか」「3,000万円控除が適用できるか」を事前に明確にした上で売却価格の交渉に入ることができます。TEL 03-6766-6178 またはLINEにてお気軽にご相談ください。

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